2025年開催予定の大阪・関西万博の会場「夢洲(ゆめしま)」で、メタンガスが検知されたという報道が話題になっています。
「なぜこんな場所で?」「大丈夫なの?」「埋立地って本当?」など、ネット上ではさまざまな不安の声が上がっています。
本記事では、メタンガスが検知された理由や夢洲という土地の特徴、さらに現状の安全性や対策について、わかりやすく解説します。
万博の開催地に関心のある方や、ニュースを見て不安を感じた方はぜひご覧ください。
大阪万博でメタンガスが検知されたのはなぜ?原因は夢洲という埋立地にあった

大阪万博の会場となる「夢洲」は、2025年の開催を控えた大規模プロジェクトの中心地ですが、最近になって敷地内でメタンガスが検知されたという報道がありました。
このガスの検出に関しては、夢洲という土地の特性に起因するものです。
実は、夢洲はもともと産業廃棄物や建設残土などを埋め立てて造成された「埋立地」であり、特殊な地盤構造を持っています。
ガスの検知はこの埋立地特有の現象によるものであり、異常ではありません。
夢洲はどんな場所?実はゴミ処分場として使われていた埋立地だった
夢洲は大阪湾に面した人工島で、1990年代から徐々に埋立が進められてきました。
もともとはゴミの最終処分場としての役割を持ち、家庭ごみや産業廃棄物、建設残土などが層になって積み重ねられている土地です。
このような埋立地では、有機物の分解によりガスが自然発生することが知られており、それがメタンガスの原因となっています。
なぜメタンガスが出るのか?埋立地特有の分解ガス発生が原因
夢洲で発生するメタンガスは、埋め立てられた有機物が微生物により分解される過程で発生する「分解ガス」の一種です。
特にメタンは、分解時に出る代表的なガスで、埋立地では一定期間発生し続けることが一般的です。
これらのガスは適切な換気や排気設備を設置することで安全に管理可能とされており、検知されたからといって即座に危険ということではありません。
メタンガス検知は危険なのか?万博の安全性や対策はどうなっているのかも解説
メタンガスと聞くと「爆発するのでは?」「健康に悪いのでは?」といった不安が先立つかもしれませんが、実際には現在検知されている濃度は安全基準を大きく下回るレベルです。
大阪市や関係機関も、危険性がないことを繰り返し説明しており、安全対策も同時に進行中です。
項目 | メタンガス濃度(%) | 説明 |
---|---|---|
爆発下限界(LEL) | 5.0 | これ以上で可燃性混合気体になり得る下限 |
爆発上限界(UEL) | 15.0 | これを超えると酸素不足で逆に燃えにくい |
空気中の許容濃度(安全基準) | 1.0 | 作業環境での長時間暴露が許容される上限 |
夢洲(大阪万博会場)での検出値 | 0.2 | 実際の検出値はごく低く、安全圏内とされる |
現地のガス濃度は?基準値以下でありすぐに危険という状況ではない
報道によると、現地で検出されたメタンガスの濃度は「爆発限界」や「健康被害が起こる」とされる数値よりもかなり低い水準です。
環境基準の範囲内に収まっており、すぐに立ち入り制限や避難措置が必要になる状況ではありません。
また、定期的な濃度モニタリングも実施されており、安全が保たれています。
万博運営側の対応は?換気設備や地盤改良など安全対策が進められている
大阪万博の運営側は、埋立地特有のガス発生を見越して、あらかじめ換気設備の設置や地下のガス抜きパイプの敷設、地盤の安定化工事などを実施しています。
今回のガス検知も、こうした安全対策が機能している証拠であり、事前に計画されたリスク管理の一環です。
運営側は引き続き安全確保に万全を期すと説明しています。